日蓮正宗 昭倫寺

日如上人御言葉 五月度広布唱題会の砌


五月度広布唱題会の砌

 平成29年5月7日 於 総本山客殿

『法華初心成仏抄』には、
「仏になる法華経を耳にふれぬれば、是(これ)を種として必ず仏になるなり。されば天台・妙楽も此の心を以(もっ)て、強(し)ひて法華経を説くべしとは釈し給へり。譬へば人の地に依りて倒れたる者の、返って地をおさへて起(た)つが如し。地獄には堕(お)つれども、疾(と)く浮かんで仏になるなり。当世の人何(なに)となくとも法華経に背く失(とが)に依りて、地獄に堕ちん事疑ひなき故に、とてもかくても法華経を強いて説き聞かすべし。信ぜん人は仏になるべし、謗ぜん者は毒鼓(どっく)の縁となって仏になるべきなり」(御書 一三一六頁)
と仰せであります。

「毒鼓の縁」とは、皆様もよく御承知のように、涅槃経に説かれる話で、非常に強力な毒を太鼓の表面に塗って、その太鼓を打つと、毒のために太鼓の音を聞いた人達は皆、死んでしまうと言われています。これは逆縁とも言い、謗法の者に法華経を説き聞かせることは法華経に縁することになり、成仏の因となるという話であります。

今、宗門は各支部ともに総力を結集して、法華講員八十万人体勢構築を目指して前進しておりますが、この時に当たり、一人ひとりがこの「毒鼓の縁」の縁由を知り、今、末法にあって本因下種の妙法こそ、順逆二縁共に成仏の直道(じきどう)に導く大法であることを確信し、いよいよ折伏に励むことが肝要であると思います。

皆様方のなお一層の御精進をお祈りし、本日の挨拶といたします。

(大白法・平成29年5月16日号より抜粋)

(平成29年8月掲載)