日蓮正宗 昭倫寺

日如上人御言葉 一月度広布唱題会


一月度 広布唱題会の砌

 平成29年1月1日 於 総本山客殿

宗旨建立七百六十五年「折伏育成の年」あけましておめでとうございます。

皆様には、すがすがしく「折伏育成の年」の新春を迎え、決意も新たに、いよいよの精進・御奉公をお誓いのことと存じます。

既に皆様も御承知の通り、今、宗門は総力を結集して、来たるべき平成三十三年・宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年、法華講員八十万人体勢構築を目指して、各講中ともに異体同心の団結をもって昼夜をおかず、折伏に励み、勇躍として前進をしております。

こうしたなかで、かねて宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年記念事業として行われておりました総本山五重塔の修復工事が、このたび無事完了し、今月十六日には、めでたく修復完成法要が奉修されることとなりました。

これもひとえに、皆様方の愛宗護法の真心(まごころ)からの尊い御供養によるものであり、この席を借りまして、改めて皆様方の尊い御厚志に対し、心から厚く御礼(おんれい)を申し上げます。
まことに有り難うございました。

御承知の通り、総本山の五重塔は、御影堂や客殿などの他の伽藍(がらん)が南向きに建てられているのに対して、五重塔だけは西向きに建てられていますが、これは末法の御本仏宗祖日蓮大聖人の仏法が、西から東へ流れる釈尊の月氏(がっし)の仏法とは異なり、東から西へ流布していく相、すなわち日本から漢土・月氏へ、やがて全世界へ流布していく相を示されたものであります。

されば、大聖人様は『諫暁八幡抄』に、
「天竺(てんじく)国をば月氏国と申す、仏の出現し給ふべき名なり。扶桑国(ふそうこく)をば日本国と申す、あに聖人出(い)で給はざらむ。月は西より東に向かへり、月氏の仏法、東へ流るべき相なり。日は東より出づ、日本の仏法、月氏へかへるべき瑞相(ずいそう)なり。月は光あきらかならず、在世は但(ただ)八年なり。日は光明(こうみょう)月に勝(まさ)れり、五五百歳の長き闇を照すべき瑞相なり」(御書一五四三頁)

この御金言の通り、釈尊の仏法は月の如く、西のインドから中国、朝鮮半島を経由し、日本に伝えられましたが、末法の御本仏宗祖日蓮大聖人様の仏法は、西から東へ流伝(るでん)された正像過時の釈尊の仏法とは異なり、太陽の如く、東の日本から起こって、中国、インドをはじめ全世界へ流布していくのであります。

この御本仏宗祖日蓮大聖人様の仏法こそ、「日は光明月に勝れり、五五百歳の長き闇を照すべき瑞相なり」と仰せのように、末法尽(じん)未来際に至るまでの長き闇を照らす、一切衆生救済の大白法であります。

されば『御義口伝』には、
「今日蓮が唱ふる処(ところ)の南無妙法蓮華経は末法一万年の衆生まで成仏せしむるなり」(同 一七三二頁)
と仰せあそばされているのであります。

先にも申し上げましたが、今、宗門は総力を結集して、法華講員八十万人体勢構築へ向かって、各支部ともに異体同心・一致団結して果敢に折伏を行じておりますが、この時に当たり、まず我々が心得(こころう)べきことは、我々自身が常に唱題に励み、大御本尊様の広大なる功徳を確信し、その確信を持って折伏に当たることであります。

折伏する者の確信に満ちた言葉や態度を見て、相手は入信するか否(いな)かを決めるのでありますから、その時だけの見せかけだけではなく、普段からしっかりと唱題に励み、その功徳と歓喜をもって折伏に打って出ることが肝要なのであります。

どうぞ皆様には、本年「折伏育成の年」に当たり、一人ひとりが平成三十三年・宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年、法華講員八十万人体勢構築へ向けて、決意を新たにして折伏と育成に励まれますよう心から願うとともに、皆様のいよいよの御健勝をお祈り申し上げ、本日の挨拶といたします。


(大白法・平成29年1月16日号より抜粋)

(平成29年3月掲載)