爰を以て経に云はく「経を読誦し書持すること有らん者を見て、軽賎憎嫉して而も結恨を懐かん。其の人命終して阿鼻獄に入らん」云云。 文の心は、法華経をよみたもたん者を見て、かろしめ、いやしみ、にくみ、そねみ、うらみをむすばん。其の人は命をはりて阿鼻大城に入らんと云へり。 大聖の金言誰か是を恐れざらんや。 (通解) このことを法華経譬喩品第三には「経を読誦し、所持する者を見て、軽賎憎嫉してしかも恨みを懐くならば、その人は命を終えて阿鼻地獄に入るであろう」と説いている。 文のこころは法華経を読み、持つ者をみて、軽しめ、賎しみ、憎み、嫉み、恨みを懐くならば、その人は命を終えて阿鼻大城に入ると言っている。 仏の金言を誰が恐れずにいられようか。 |